気持ちが沈む日に。心を元気にする栄養とかんたんレシピ

「最近、なんだか元気がなさそうで」
「食欲もないみたいで、心配なんです」
そんなご相談を、ご家族からいただくことがあります。体の不調ではなく、なんとなく気持ちが沈んでいる。そんな高齢者の様子に、どう向き合えばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
私は管理栄養士とケアマネジャーとして働きながら、認定心理士の資格も持っています。今日は栄養と心、両方の視点から、気持ちが沈みがちなときに知っておいてほしいことをお伝えします。

心と食事は、思っている以上につながっている

「気分は気の持ちよう」と思われがちですが、実は心の状態は、食事の内容とも深く関わっています。
脳内で気分の安定に関わる神経伝達物質に「セロトニン」があります。セロトニンは、食べ物から摂った「トリプトファン」という成分をもとに作られます。トリプトファンは体内で作ることができないため、食事から摂る必要があります。
高齢になると、食が細くなったり、同じようなものばかり食べたりして、知らないうちにこうした栄養素が不足しやすくなります。「気持ちが沈みがちなのは、性格や気の持ちようではなく、体の栄養状態も関係しているかもしれない」という視点を持つことは、とても大切だと感じています。


気分が沈みがちなときに、意識したい栄養素


・トリプトファン:乳製品、大豆製品、魚、肉などに多く含まれます
・ビタミンB6:トリプトファンからセロトニンが作られる過程で必要になります。魚、バナナ、にんにくなどに含まれます
・朝の光と、リズムのある食事:セロトニンは日光を浴びることでも作られやすくなります。朝食をきちんと摂り、日中に軽く体を動かす習慣も、気分の安定を後押ししてくれます
難しく考えなくても、「バナナ+牛乳」「魚+大豆製品」のように、普段の食事に少し意識を向けるだけで十分です。


今日から作れる、心が和らぐ簡単レシピ


バナナと牛乳のやさしいドリンク


材料(1人分)


・バナナ 1本
・牛乳 150ml
・お好みではちみつ 少々


作り方


1. バナナを一口大にちぎる
2. 牛乳と一緒にミキサーにかける(なければフォークでよくつぶして混ぜても大丈夫です)
3. お好みではちみつを加えて完成


トリプトファンを含むバナナと牛乳を組み合わせた、飲みやすい一品です。食欲がない日でも、これなら口にしやすいという方も多いです。


しらすと大豆のおかか和え


材料(1〜2人分)


・しらす 大さじ2
・蒸し大豆(または水煮大豆) 大さじ3
・かつお節 少々
・しょうゆ 少々


作り方


1. しらすと大豆を軽く混ぜる
2. かつお節としょうゆで和えれば完成


魚と大豆、両方からトリプトファンが摂れる、箸休めにもぴったりの一品です。


無理に「元気にさせよう」としなくていい


ここまで栄養の話をしてきましたが、認定心理士としてお伝えしたいことがひとつあります。それは、気持ちが沈んでいる人に対して、無理に励ましたり、元気づけようとしたりする必要はない、ということです。
「早く元気になってほしい」という気持ちから、つい励ましの言葉をかけたくなりますが、本人にとってはそれがプレッシャーになることもあります。まずは、そばにいて、話を聞くこと。そのうえで、今日ご紹介したような食事の工夫を、さりげなく取り入れてみてください。
もし、食欲のなさや気分の落ち込みが長く続くようであれば、一人で抱え込まず、かかりつけ医や専門機関に相談することも大切な選択肢です。心と体、どちらも大切にしながら、日々の食卓を囲んでいけたらと思います。

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この記事を書いた人

管理栄養士・介護支援専門員・認定心理士として、高齢者の方の栄養管理を中心に、妊婦さんや赤ちゃんの栄養支援にも携わってきました。
栄養・介護・心理、3つの視点から「食べること」と「心地よく歳を重ねること」のヒントを、やさしい言葉で綴っています。
このブログが、大切な人のごはんに悩む誰かの、小さな助けになりますように。

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